婦人科検診
当院では、宇都宮市が実施している健康診断にご対応しています。40歳未満の方の乳がん検診、一般の子宮がん検診もお受けしています。
子宮がん検診
子宮がんには、膣に近い先端部=頸部に発生する頸がんと子宮の本体部分にできる体がんの2種類あります。前者は10代~90代まで幅広く発生します。後者は閉経前後に多発します。しかし、月経不順の方であれば、20代でもおこります。
検診方法は両者とも頸部や体部粘膜から採取した細胞をもとに行います。体部からの採取には軽い痛みを伴います。
頸がん検診は1年ごとに終生行った方が良いと考えます。体がんについては、月経が順調であれば必要なく、月経が不順である場合にのみ行えばよろしいでしょう。20代でも不順であれば1年ごとに、ある程度の年齢になり不順になってきたら、これも1年ごとに行うべきでしょう。完全に閉経となり、子宮体部が萎縮したら、行う必要はないと考えます。但し、どの年齢でも不正出血があれば、念のために検査すべきです。
子宮腫大の検診
子宮筋腫・子宮内膜症の有無を診ます。原則的には経腟超音波を用います。月経不順や不正出血を訴える方には、さらに子宮内膜の厚さや、内膜ポリープの有無も調べます。内膜症には月経痛がつきものですが、子宮筋腫の場合、無症状の方が多いので、無症状でも1年に1度の検査を勧めます。但し、筋腫が悪性化する確率は極めて少ないことは確実です。そして、閉経後、子宮が萎縮してきたことが確認されれば、検診はがん検診時の内診のみで良いでしょう。
卵巣腫大の検診
卵巣の腫瘍は悪性化する可能性が少なくありません。そのため、最低1年に1度は超音波検査などで、卵巣腫大の有無を調べるべきです。多くの卵巣がんは良性のものが二次的に悪性化した場合なので、良性である段階で発見し、5cm以上の大きさであれば摘出、もう少し小さければ3か月ごとに検診を繰り返していけば、卵巣がんによる死亡を防げると考えます。
月経痛が強い、あるいは程度が強くなる傾向の方は、内膜症の1つである卵巣内の血液貯留=「チョコレートのう胞」の有無の検診も重要です。当然、超音波検査を行い、必要があれば、総合病院での精密検査を受けるべきでしょう。
頸管ポリープ
子宮頸部の中央にある外子宮口に細長い腫瘤を見つけることがあります。悪性のことはほぼなく、多くは簡単に摘出でき、その後の出血も少量で済みます。時に茎が太い場合は総合病院での摘出となります。
外陰がんと膣がん
どちらも高齢に多いがんです。肉眼による検診を行います。多発するものではなく、私は1度も後者を疑わせる症例を診察したことはありません。