こころと体のクリニック「うえの医院」トップへ
婦人科

月経に関する不調・不快症状

【1】月経不順

 通常は4週間〜1か月周期で月経が起こります。しかし、日頃から、または一時的に月経が定期的に来ない・来なくなる場合があります。排卵が定期的に行われないことが原因です。

 対策として、先ず排卵状況を確認する目的で基礎体温(BBT)を表に記録して頂きます。そのうえで、早期に妊娠を望まれる方には、クロミッドという軽めの排卵促進剤を処方します。未婚の方や妊娠の希望がない方には、それぞれの方に最適の漢方製剤の服用を勧めます。

【2】無月経

 定期的に来ていた月経が遅れることがあります。原因は2つしかありません。1つは妊娠しているから。もう1つは、1で述べたような排卵が遅れている場合です。妊娠の可能性をもつ方には尿による妊娠反応検査や経腟超音波検査を、可能性のない方には、まず1か月間の基礎体温記録をお願いすることにしています。

【3】月経痛

 月経時の腹痛です。原因は機能的(若年者や分娩未経験者に多く、子宮頸部が硬く、未成熟なため、月経血の子宮外への排出に強い子宮収縮が必要)なものと、子宮内膜症によるもの、があります。前者には漢方製剤服用を勧めます。

 後者の場合、早期に妊娠を考えている方には妊娠の成立を目指し、そうではない方には内膜症への外科的対応(卵巣や子宮腫大の有無が重要)の必要性を判断し、必要な場合は総合病院に紹介します。直ちには外科的対応が不必要と考えるかたには、しばらく、排卵停止=月経停止させる薬剤療法を勧めます。黄体ホルモンを変形した薬剤によることが優先されますが、低用量ピルを使用せざるを得ないこともあります。

【4】月経過多

 月経血に塊りが目立つ場合です。ほとんどの場合、子宮が腫大していること(筋腫が大部分)が原因です。繰り返される月経過多は血清鉄が減少し、鉄欠乏貧血をもたらします。鉄の補給(内服か静脈注射)と、月経血を少なくすることが必要です。

 後者の方法は、根治治療は子宮摘出ですが、必要と考えられる方は総合病院に紹介します。それ以外の方は、月経期間中に出血を減少させる薬剤を処方するか、3の場合同様に排卵を停止させることもあります。

 なお、筋腫を小さくすると称する薬剤療法を喧伝する人間がいますが、現在、そうした薬剤は東西どこを見てもありません。

【5】月経前障害

 排卵後〜月経開始までの期間=高温期に、身体面では下腹部の張り・過食・便秘・頭痛・吐き気・疲労感・不眠、心理面ではイライラ・落ち込み・憂うつ感・昼間の眠気などに、苦しめられる女性が多く、特に2割ぐらいの方は日常生活に大きな支障になっています。

 私は、原因は高温期に分泌される黄体ホルモン(P)に悪影響を受けやすいためと考えます。黄体ホルモンは妊娠(着床)の成立と維持の主役ですが、それを分泌している受精当人には、マイナスの作用しか与えません。女性の敵です。反対に、卵胞ホルモン(E)は女性の心身を安定化し、元気にする女性の味方です。高温期にもEは分泌されてはいますが、人によってPの力に負けてしまうのです。

 治療には高温期だけ、自然界から抽出したEを服用して頂きます。私の経験では、月経前障害の8割のかたに十分な効果があります。血栓症などの深刻な副作用の心配はありません。

【6】更年期障害

 48〜52歳で閉経(卵巣機能停止)を迎える方が8割で、その前後6か月ほどの時期に、顔のほてり・自汗・盗汗(寝汗)、肌の乾燥感・疲労感・イライラ・気分の落ち込み・肩こり・頭重感・・・などの不快症状に悩まされることがあります。卵巣機能の停止により卵胞ホルモン(E)の消失が主因です。動物には適応能力があり、徐々にEのない体内環境にも慣れて、前述の不快症状は消えていきます。

 但し、日常生活に支障を感じるほど症状が強ければ、Eを補充する治療法の必要性も考慮せねばなりません。Eを補充してみて症状が大きく改善されれば、6か月から1年程度補充療法を行います。副作用も考えて、塗り薬を用いるほうが良いと考えます。1年後から、徐々に補充量を減らして数か月で休薬します。

 E補充で改善なき場合・6か月以上も症状が続く場合は、心理的な面からの診療が望まれます。

 最近、サプリメントによる対策を推奨する医師やマスコミが目立ちますが、私が述べた対処法こそ王道です。

【7】月経移動

 旅行や受験などの大切な日に予定月経が当たってしまう場合があります。こうした場合に、あらかじめ準備をすれば月経を移動させることができます。一時的にピルを使用する方法です。月経移動を希望される方は、移動したい予定月経の1か月前に受診ください。そうすれば、排卵を一時的に停止させ、予定より前に出血を起こし、大切な日の出血を避けることができます。

 中容量ピルならば1か月前の月経5日前から、低用量ピルならば1日目から服用します。その後の月経周期には悪影響はありません。

このページのトップへ

婦人科検診

【1】子宮がん検診

 子宮がんには、膣に近い先端部=頸部に発生する 頸がんと子宮の本体部分にできる体がんの2種類あります。前者は10代〜90代まで幅広く発生します。後者は閉経前後に多発します。しかし、月経不順の方であれば、20代でもおこります。

 検診方法は両者とも頸部や体部粘膜から採取した細胞をもとに行います。体部からの採取には軽い痛みを伴います。

 頸がん検診は1年毎に終生行った方が良いと考えます。体がんについては、月経が順調であれば必要なく、月経が不順である場合にのみおこなえばよろしいでしょう。20代でも不順であれば1年毎に、ある程度の年齢になり不順になってきたら、これも1年毎に行うべきでしょう。完全に閉経となり、子宮体部が萎縮したら、行う必要はないと考えます。但し、どの年齢でも不正出血があれば、念のために検査すべきです。

【2】子宮腫大の検診

 子宮筋腫・子宮内膜症の有無を診る。原則的には経腟超音波を用います。さらには、月経不順や不正出血を訴える方には、子宮内膜の厚さや、内膜ポリープの有無も調べます。内膜症には月経痛がつきものですが子宮筋腫の場合、無症状の方が多いので、無症状でも1年に1度の検査を勧めます。但し、筋腫が悪性化する確率は極めて少ないことは確実です。そして、閉経後、子宮が萎縮してきたことが確認されれば、検診はがん検診時の内診のみで良いでしょう。

【3】卵巣腫大の検診

 卵巣の腫瘍は悪性化する可能性が少なくありません。ですので、最低1年に1度は超音波検査などで、卵巣腫大の有無を調べるべきです。多くの卵巣がんは良性のものが二次的に悪性化した場合なので、良性である段階で発見し、5cm以上の大きさであれば摘出、もう少し小さければ3か月ごとに検診を繰り返していけば、卵巣がんによる死亡を防げると考えます。

 月経痛が強い、或は程度が強くなる傾向の方は、内膜症の1つである卵巣内の血液貯留=チョコレートのう胞の有無、の検診も重要です。当然、超音波検査を行い、必要があれば、総合病院での精密検査を受けるべきでしょう。

【4】頸管ポリープ

 子宮頸部の中央にある外子宮口に細長い腫瘤を見つけることがあります。悪性のことはほぼなく、多くは簡単に摘出でき、その後の出血も少量で済みます。時に茎が太い場合は総合病院での摘出となります。

【5】外陰がんと膣がん

どちらも高齢に多いがんです。肉眼による検診を行います。多発するものではなく、私は1度も後者を疑わせる症例を診察したことはありません。

このページのトップへ

婦人科感染症

【1】細菌感染

 膣内は無菌には保たれず、時に細菌に侵される場合があります。有名な菌はクラミジア菌・淋菌ですが、多くは無名の雑多な菌によります。症状はおりもの異常(量の増加・色や臭いの変化・外陰部の違和感など)です。対策は、淋菌とクラミジアに対しては経口剤、その他には膣錠による細菌駆除です。

【2】ウイルス感染

 ヘルペスとパピローマウイルスによる感染症です。前者は外陰部にできる水疱と強い痛みが特徴で、経口剤と塗布薬で治療します。後者は膣入口部を中心に発生するイボが特徴で皮膚科医師へ紹介します。

【3】真菌感染

 外陰と膣内の痒み・白い固まったおりものを特徴とするカビの一種による病変です。外からの感染よりも内部から起こることが多く、子供でも発生します。治療は膣錠と塗布薬です。

このページのトップへ

避妊と妊娠中絶手術

【1】避妊

(1)基礎体温上で高温期3日目〜月経開始までの期間に関係をもつことを習慣とする。

(2)低用量ピル服用 連続服用は最長で2年間とし、再服用は6か月後とする。血栓症発生を注意深く予防する。

【2】緊急時ピル

 性行為後の妊娠防御法で、72時間以内に通常よりも多くの量のピルを2回服用する。1性行為に関しては90%を超える避妊効果があります。

【3】人工妊娠中絶

 日本では、女性の心身の健康を阻害すると憂慮される妊娠を、女性を守るという観点から、妊娠21週未満の人工妊娠手術が法律で認められています。施術できるのは、「母体保護法」で指定を受けている医師のみです。

 当院では12週未満の妊娠に対して、手術を行います。手術前日に、ラミナリアという海藻を乾燥させた器具を子宮頸管部内に挿入し、膨張して頸管部を軟化・拡張させます。これは、中絶手術の際の最大事故原因である頸管部の拡張不全を防ぐためです。

 手術は朝8時半から、手術室で行います。麻酔は、2種の薬剤を静脈内に注入するカクテル麻酔と呼ばれる方法によります。私はこの方法を慶應病院麻酔科で学び、40年以上利用していますが、1例の事故もなく安全性には自信をもっています。

 術後は、快適な個室で3時間ほどお休み頂き、術後の異常なきを確認ご帰宅して頂きます。

このページのトップへ

骨粗しょう症

 閉経前後から骨の密度は低下する傾向がありますが、著しい場合、骨粗しょう症となり骨折しやすくなってしまいます。骨折すると治りにくく、生活の質は悪くなります。現在では、骨粗しょう症に効果が大きく、副作用が少ない薬剤が保険適用になっています。期待して良い薬だと思います。

このページのトップへ

不妊

 当院では一般的な検査と治療は行いますが、体外受精などの特殊な診療は扱いません。

このページのトップへ

乳房と甲状腺

 現在の日本では、女性の30人に1人は乳癌が発生すると考えられています。ですから、乳癌検診はとても重要です。検査法には、触診・超音波法・マンモグラフィー(レントゲン撮影)がありますが、現在のところマンモグラフィーが最も推奨されるものです。当院にはマンモグラフィーはありませんが、希望される方には専門クリニックを紹介致します。

 甲状腺に関しては、9割が女性に発生します。触診で甲状腺が腫れているかどうか判りますが、必要に応じて、血液検査も行います。乳癌は女性で最も多い癌であり、甲状腺疾患も女性に非常に多く発生します。市の検診などを利用し、受診しましょう。

このページのトップへ

このサイト上に記載されている内容の著作権は〈うえの医院〉にあります。無断転載禁止。
Copyright © Since 2006 UENO CLINIC All Rights Reserved.