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「頸癌ワクチンの副作用を考察する」 2013.10.01
鳴り物入りで登場した世界初の抗癌ワクチンである子宮頸癌ワクチンに関して、日本では予想外の反副反応が多発し、今後の対応に戸惑いが広がっています。気になる副反応に次のようなものがあります。@四肢の運動低下A歩行障害B無力感C全身の異常感覚、さらにD欝状態E恐怖感F自傷行動などです。勿論、注射部位局所症状、全身のアレルギー反応など他ワクチン接種時と共通する副反応も報告されています。@〜F(D〜Fは精神症状そのもの)は心理的影響を強く受けていると思えますが、なぜ頸癌ワクチンに限ってなのか?私なりの答えを以下に述べます。
 副反応が生じた方の多くは10代であり、恐らくクチン接種促進事業に基づく接種だったはずです。頸癌の原因は性交渉によるパピローマウィルス感染ですので、このウィルスに対する抗体産生を促すことでワクチンが予防効力を発します。このため彼女たちは、頸癌と性交渉の関係をある程度知らされ、接種に臨んだと想像できます。
 思春期の女性は、性の問題にうすうす気づきながらも、この問題を直視することを先延ばしする傾向をもつと、私は考えます。そうした彼女たちが、性交渉によって発病する癌があることを知らされ、人間の営みに嫌悪と自責の念を濃くしたはずです。その時、今までの皮下へのワクチンと異なる、筋肉内への注射を受ける・・・不条理な疼痛が彼女たちの心までも襲った!
 生物学的な副反応発生機序は頸癌ワクチンと他ワクチンとの差は無いと思われます。ただ、接種対象に対する心理面での気遣いが大いに足りなかったことが、予想外の副反応発生の主因と私は考えます。 

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