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「常に詩人でいたい」 2013.07.29

 医学生時代、仏教哲学(唯識と中観)・量子力学の独習や、プラトン・荘子の愛読あるいはブルックナーの傾聴など、形而上世界に耽溺したことがあります。その折、北村透谷「万物の声と詩人」での“詩人”=<人間と造化の最奥なるところを感得し、私情を超えて、万人の悲しみを自らの悲しみとする者>とする定義がいたく気に入りました。さらに、精神科臨床講義における諏訪教授の深く豊かな気韻に“詩人”を感じたことも加わり、レオナルド・ダ・ヴィンチの<画家は万能でなければならない>をもじって、<医師は常に詩人であれ>を自訓と決めたのです。
 しかし、言うは易(やす)く行うは難(かた)しで、65歳になっても診療者と詩人を融合できた!と思える瞬間はただの1度もありません。忸怩(じくじ)たる日々の連続ですが、脳外科医・上山博康氏のインタビュー記事を読み、私の自訓を具現化している臨床医がいた!と羨望をいだきました。
2万例もの手術をこなし、札幌・禎心会脳疾患研究所で卓越した手術技法を後進に伝授すべく活動している上山氏は、「医療訴訟を怖れ、問題の起きない安全な方へ医師は流れやすいのですが、行き場所のない患者さんの最後の砦になりたい。」と明言しています。そして「医師にも患者にも必要なモラルと人間力が不足していることが一番の問題だ」と続くのです。医師のモラル=詩人性と、私はとります。
ところで上山氏によれば、脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)の注意すべき前兆は、急に起こっためまい・大きな耳鳴り・ものが二重に見える・もの忘れの悪化・片側手足のシビレなど、とのことです。
 

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