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「海女の美しさと乳癌遺伝子」 2013.07.09

 大崎映晋氏による写真集「海女のいる風景」を観て、心の底から感嘆しました。能登・輪島沖50kmにある舳倉(へぐら)島で、若い海女たちの姿(主に水中)を1955〜60年にかけて撮影したものです。腰に命綱を結わえ、水中メガネを装着し、頭髪は布でまとめています。しかし、乳房と臀部の双球はむき出しで、柔らかくしたシュロなどの編み物によって外陰部をわずかに覆うのみ!
 彼女たちは50mも潜りアワビを採りますが、なぜ裸同然なのか?私は、素早く深く潜るため抵抗を極力抑える目的の他、すべてを大自然にゆだねている証として、さらには命を奪うことになるアワビと虚飾を拝して対峙したいため、と考えます。命を賭けて潜る彼女たちの水中での姿は勁(つよ)く、潔く、美しい!輝く臀部と乳房・・・人間の見事さ、ここに極まれり!です。
 さて、予防的乳房切除が話題となっています。遺伝子検査をもとに、将来の発癌危険度を減少させるための手術です。癌発生の初めにはDNAの変異があるとみられており、その部分に関係する“癌遺伝子”も少なからず発見されています。乳癌では、本来ならば発癌を抑制するBRCAという遺伝子について異常(子孫に伝わる)の有無を調べ、発癌リスクを予想します。異常があれば、70歳になるまでに8割の確率で発癌するそうです。日本でも10数箇所の医療機関が予防的乳房切除を行う準備をしていると聞きます。
 また、乳癌細胞の増殖を促進する遺伝子も見つかっています。HER2と呼ばれるもので、この遺伝子が正常値よりも極端に多い場合、遺伝子を特異的に攻撃するハーセプチン療法があります。

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