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「職場うつを考える」 2013.05.07
 「創世記」で“人間は生涯、労苦のなかで糧を求めねばならない”と宣言された通り、労働とは辛く厳しいものなのだ、とつくづく感じています。労働の場=職場内での労苦が主因と考えられる不調を訴えて来院する方が極めて多いからです。
 共通する症状は、@出勤するのがとても億劫になり、頭痛・吐き気・腹痛・動悸・息苦しさ、を伴う A集中力・思考力が減退している B帰宅後も気分が晴れず、仕事のことが浮かんでくる C大して気にならなかったことにイライラし、周囲の人に当たってしまう、などです。換言すると、仕事上の労苦が心のエネルギーをすり減らす→労苦に対する抵抗性減少→さらなる心の消耗=生きていくこと自体が辛くなる・・・という悪循環にはまり込んでしまったのです。これを“職場うつ”と呼ぶ医師もいます。
 労苦の原因は、@仕事の質的・量的負荷やノルマの過大なこと A職場内隣人からの心無い言動 B慣れ親しんだ職場環境からの異動 C夜勤などの変則勤務の連続、といったところでしょう。これらが根本的に改善されることは残念ながら稀ですので、悪循環に陥ったと感じたら、まず医療機関を訪れることです。そして、医師からの診断書などをもとに上司や産業医と相談する機会を求めることが肝要です。そうすれば、現実に取り得る最良の措置がなされる可能性が大きくなります。
 なお、形而下世界の事象に疲れた心を回天させるには、心を日頃から形而上世界に開放することが何よりと考えます。現在最も清烈な音楽を創るグスタヴォ・ドゥダメル(ベネズエラの指揮者)のベートーベン3・5・7交響曲を、試しに聴いてみてください。
 

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