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「ビートルズを聴く幸福」 2013.03.05
市内にビートルズ(以下Bと略)を前面に押し出し営業している食品店があるのですが、歴史的音楽集団の私物化と映り、利用しまいと決めていました。ところが先日、他に食べられる店を探すのが面倒になり、フラフラとその店に入りました。そこでは、アイルランド(Bの心的故郷=ケルトの国)のパブを連想する焦げ茶色の空間にBが絶え間なく流れていて、コーヒーとパンを飲食するうちに、えも言えぬ幸福感に満たされてしまったのです。
他の客も同じ気分にあるようで、明るく清らかな表情で品を選び、会計の長い列を静かに形成し、聖なる穏やかさをもって食事を取っています。温もりに乏しい宇都宮にいることを瞬時忘れました。
 B音楽の核心は、“人生の不条理性を、しなやかに肯定的に受け入れる姿勢”、のはずです。ここで言う不条理性とは、<生まれたくて生まれた訳ではないし、死にたくて死んでいくのでもないこと>を根底にし、生から死までの間に<悪貨が良貨を駆逐し偽善が正義を覆い隠す>習いを、数多く見聞させられる事実を指します。
 その店において私は、「不条理を肯定的に受け入れる余裕を、心の中に広く確保する」を本年の方針にすることにしました。すなわち、“政治・経済・社会風俗、日常の人間関係、これらに関し不本意なことが起こっても、甘受しよう。南無阿弥陀仏、Let It Be”です。
 外来を訪れる患者さんの中には、社会の不条理性に傷つき悩んでいる方が少なくありません。そうした方々に私の方針をBの音楽と共に紹介し、辛い浮き世を乗り切る1つの方策となる可能性を考えて頂こうと思っています。

 
 
 

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